田舎×農業法人

【備蓄】2022年農家が考える食糧危機は来ない理由~備えと安心~

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最近忙しすぎてPCに向き合う時間がなかったですが、広く知って頂きたい事が出来たので真面目に記事を書くことにしました。最近の日本の食料庫と言われる北海道の農業事情とこれからを考察してお役に立てる内容をお届けしたいと思いました。2月に始まったウクライナ戦争や干ばつによる小麦の減収や高騰、パーム油の輸出規制(6月中旬に解除され輸出が再開したようです)沢山の食糧事情の変化があることはご存じですか?できる限り陰謀論のような不安を煽るような記事にはしたくないので解決策を織り交ぜて現状の農家とこれから起こるであろう予測も含め書いていきます。

あらゆる食料が高騰する可能性

肥料の高騰が尋常じゃ無い

現在5月末にこちらの記事を書いています。実は去年の段階で今年度の肥料が手に入るかどうか分からないと取引している肥料屋さんから通達がありました。他を探す方もいたようですが、最善を尽くしますの言葉を信じて私たちは待つことにしました。そして春前に確保できたとの連絡を頂き一安心しましたが、JAなど他に流れた人は結局肥料のグレードを下げるしか無い人もいたようです。今回取引を辞めなかった農家さんには元の価格に近い形で提供してくれることになりました。ただ6月からはどんなに頑張っても30%~90%の値上がりを覚悟して欲しいことでした。私たちの場合平均70%の値上がりになる予測です。これはまだまだ序章で8月にはさらに大幅値上げになるかもしれないけどまだどうなるか未定という連絡を頂きました。予測ででは値上がりから更に50%もあり得るとのことです。仮に300万の肥料代だったとして500万~600万という事も起こりうる事になります。

資材・修理費全ての物が1.5~2

先日去年買ったトラクターのタイヤが同じ規格の物で価格が16万から27万円になっていて、なんと11万アップ!請求書2度見しちゃいました!

 

修理・部品の欠品などがあるのでそもそも修理が出来なくなる可能性も出てきました。農業だけでは無く色々な業界で厳しい状況が迫ってきています。未来永劫この状況が続くとは思えませんが、現在決定している事だけでも知っておくと今後の対策に役に立つと思います。

高騰に備えた備蓄

高騰するであろう小麦製品の備蓄は賛成です。パスタや半年~1年以上日持ちがする物にかぎり今のうちに購入する事は良いと思います。石油やガソリンなどのエネルギーの高騰であらゆる物が高騰するので今のうちに缶詰や乾物、塩や砂糖や調味料類や油など賞味期限を考えながら3ヶ月分程度からの備蓄はちゃんと使う前提で災害の時にも安心なので備えるのは賛成です。

玉ねぎ農家が玉ねぎの高騰で分かったこと

 

農業の影響には半年以上のタイムラグがある

今年の玉ねぎの高騰も戦争や円安が原因と勘違いをしている方が多いのでこちらで詳しく説明しようと思います。Twitterでもたまに見かける玉ねぎ高すぎ問題ですが、ウクライナ戦争や上海のロックダウンのニュースなどで世界情勢との関係を疑っている人がいます。これについては安心して下さい全く関係ありませんじゃあ何で高騰しているのかというと、2021年度は北海道が記録的な大干ばつに見舞われて長いところで3ヶ月以上雨が降らないという事態が発生したためです。私たちは2021年の冬には玉ねぎ不足になることが分かっていました。玉ねぎ不足の前は玉ねぎの暴落が起こっていて、そのことが原因で佐賀県の作付けが極早生という早出しが9割になり収穫量減少と作付面積の減少で出荷量が減少していた事が原因になります。

安心して下さい!

今年の玉ねぎは生産の70%を誇る北海道の出荷が始まる8月中旬から下旬には価格が落ち着いてくる予想です。何故予想かというと現在6月なのでまだまだ不作になる可能性がゼロでは無いからですね。今のところは作付けは順調です!

皆さんに安くて美味しい玉ねぎが日でも早く届いて欲しいです。

戦争とコロナで不安を煽る人が増えた

玉ねぎの高騰も含め食糧危機を煽る人が多いこと・・・。不安はお金になるとは良く言った物ですね。保険もテレビもYouTubeの再生回数も不安を煽ると良いことが多いです。契約や再生回数と視聴率といったお金になりますからね。適度な不安で災害時の備えをする事は良いことだとは思いますが、戦争や感染症を絡めて何でもかんでも煽るのはあまり良いことだとは思えません。

食糧危機は来るの?来ないの?

戦中戦後のような食糧危機は来ない

結論から言うと、私は直近での食糧危機は来ないとみています。

皆さんの考える食糧危機の定義は分かりませんが、ここでの定義は戦時中や戦後のような食糧危機が来るのかどうかの話をします。スーパーの棚に何も無い状態をイメージします。もちろん未来の話なので日本が戦争になったり侵略されたり、各国が日本への輸出を全て停止して輸入品が入ってこなくなるなどかなり劇的な変化が起こった場合は食糧危機はあるかも知れませんが、その場合は食糧危機以上の問題が山ほど起こっていると思います。あくまでもここ数年でいきなり食料が全く手に入らないという事は起こらなと見ています。

食糧危機より食料高騰が心配

現在の状況だと食糧危機より食料高騰の方が深刻です。100円の物が300円なんて事はどんどん加速して、状況が良くならなければ2~3年は続くかも知れません。今年ははまだ肥料の影響が少ないですが、来年の作付けの肥料は70%の値上げを予想しています。国からの補助金がちゃんと出なければ経営出来ない農家、兼業の農家は作付けを諦める人も出てきて供給量事態が減ってしまう可能性があります。ただ年間500万の肥料が850万と言う異次元の値上げになるため補助金でどれだけカバー出来るかは疑問に感じるので、体力(現金)のある農家が強いでしょう。北海道の作物が全国に影響してくるのは半年後なので再来年の野菜価格が上がらないと市場や相場で出荷している農家がやっていけない可能性も出てきます。

食糧危機の私なりの答えは、来ないけど価格が高くなるが答えになります。お金があれば解決出来るということになります。それでは対策行ってみましょう。

今後の野菜高騰の対策を考える

野菜の高騰をどう乗り越えるのかを私なりに考えてみました。誰にでも出来きる対策もふくめてお伝えしたいと思います。

ベランダ&室内野菜を育ててみよう

仕事をしながら野菜を育てるなんて大変でしょ!っと思う方もいると思います。やってみると以外に簡単で楽しいです。

こちらのような高いタイプのプランターを使うと日当たりも良くベランダで育てるのも簡単で作業も楽でおすすめです。

まず育てるのにお勧めなのはリーフレタス系のこちらのような物から育てるのがお勧めです。はじめからトマトやなすという実がなる作物から始めてしまうと失敗する可能性が高いです。リーフレタスの良さは根っこから抜かない限りちぎりながら長く楽しめるところです。外側の葉っぱからちぎって食べていくと毎日十分な量の葉物野菜をいつでも食べることが出来るのですごくおすすめです。

変わり種家庭菜園

お得かどうかは置いといて変わり種のグッツやキットがあるので紹介しますね。

家庭で出来る椎茸栽培キットになります。私も何度か挑戦したことがあります。現在私は原木で育てています。肥料いらずのこのキットも沢山の椎茸を収穫できたので子どもたちも大喜びで収穫して食べていました。無農薬で獲れたてを焼いて食べた時は忘れ得られない味でした。

最近はやりの袋型の家庭菜園グッツでじゃが芋や人参大根を栽培できる商品。こちらは見た目も可愛くてベランダ菜園にお勧めになります。再利用可能なので何度でも試してみましょう!

楽しく農業に関わっていこう

畑をシェアして学んでみよう

最近畑を借りるシェア畑が人気のようで、サポートが充実していて道具の貸し出しも行っています。東京を中心に展開しているので都会だからと諦めずに農業に挑戦して欲しいです。まずはサポートのあるシェア畑のような場所で農業を体験して勉強し知識や経験を身につけて、別の安い畑を借りて自分で挑戦すると失敗が少ないと思います。レジャーとして家族で週末思い出作りに畑に行ったり、老後に自宅に庭が無くても気軽に農業を始めることが出来ます。趣味と学びと実益がセットでとてもお得だと思います。貸し農園にもいろいろあって畑によっては有機のみの畑や無農薬専門の畑などいろいろ制限がある場所もあるので自分に合った場所を探してみて下さい。有機栽培がやってみたい方はこちらの有機de家庭菜園教室で有機栽培を勉強する事も出来ます。さらに家庭菜園が好きになって野菜にはまった方は野菜ソムリエに挑戦してスキルアップにも挑戦するのも楽しいですよね!

最後は農家と繋がろう

家庭菜園もシェア畑も自分には向いてないし面倒というそこのあなたに朗報です。最近では食べチョクさんポケットマルシェのような農家が直接販売するプラットフォームが増えてきています。ほとんどの農家がこだわりを持って栽培した野菜を業者やJAを通さずに勝負をしているので外れがありません。自分の野菜のみで勝負をするので同じ農家として育てるプラス売るなので、大変さがより分かるし、Twitterで見る出品者のツイートはとても魅力的でついつい食べたくなります。私は北海道なのでフルーツや寒い地域では見られない野菜を注文して楽しんでいます。農家から直接買うと言うことは農家の存続にも貢献していることになります。美味しい物を自信を持って作っている農家方々が少しでも減らない事と生活が成り立つことは消費者にとってもプラスになることは間違いありません。市場価格に振り回される農家にとって自分で価格が決められるプラットフォームは希望でもあります。1度注文してみると良さを分かってもらえると思います。もっと沢山の人が農家から直接気軽に野菜を買うことが普通になるとうれしいです。

まとめ

食糧危機について農家目線で記事を書かせて頂きました。戦争やウイルスで暗いニュースが多い中、不安を煽るような動画やコンテンツも多くなってきているので楽しく乗り越える方法を考えたくて記事を書き始めました。食料という問題を通じて沢山の人が農業に興味を持って、補助金だけじゃ無い解決策や未来が見つかると嬉しく思います。農家の作品は直接農家からかう流れがもっと広がって欲しいです。そして自分で育てる喜びも味わってベランダで、室内で、シェア畑でそれぞれが災害などに備えて欲しいと思います。