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農業法人経営者が次世代農業のビジネスモデルの可能性と未来を考える

農業法人経営者が次世代農業のビジネスモデルの可能性と未来を考える

今回は真面目に農業について考えていこうと思います。北海道の農業は規模や環境が本州とは全く違います。

そして私たちは農業法人という北海道農業でのマイノリティで農業を運営しています。

JAを通さず農業を営むこと、地元企業と組んで信頼関係を築きどちらにもメリットがある両者方向性のビジネスで安定的かつ継続可能な農業を実現できています。

もちろん経営ですからこの先失敗しない補償は無いけれど現時点ではコロナ禍でも安定した収入を確保しています。

私のプロフィールについてはこちらです。

移住と農業の体験についてはこちらです。

Twitter農家の安すぎる野菜達

最近本州・九州などの農業アカウントを意識して見ていると。コロナ禍での需要が減少しているのか価格が安すぎると感じることが増えました。

消費者にとって安いは正義かもしれませんが、農業者にとっては死活問題であり農業経営が厳しいと感じるでしょう。

野菜の価格がどんなに落ちこんでもスーパーなど末端価格にはそれほど影響しません。

高くなればスーパーの売価はすごく高くなるのに1次産業は自分で売価をコントロール出来ません。

これが農業ビジネスをする上で一番ネックになる部分だろうと感じています。

私は農業を強くしていく事が将来的に農業全体に恩恵があると考えています。

普通に疑問を持とう

JAに出荷するのがあたりまえ。

みんながやっているから自分も同じ道を歩こう。この考えはこの先危険だと私は考えています。

政治も大企業も高齢者の当たり前、変わりたくないという変化を恐れた結果衰退している事、農業ビジネスでも同じ事だと思います。

世界は加速度的に変わっていて、変化や挑戦を恐れていると今後苦しくなって来るでしょう。

この先常に今の当たり前を疑って行動してリスクを最小限にする取組をする事が必須になります。

JAへの出荷が全部駄目と言う事では無く、JA出荷は手段の一つとして考えて他の企業と協力する、直売ビジネスを育ててリスクを分散させることも意識すると沢山の可能性が生まれます。

経営者という目線を持とう

私も何も分からず挑戦した農業ですが常に意識をしていることがこの設備投資は生産性をあげるのか、という目線です。

農業機械は様々な物があり、周辺農家でも過剰投資の農家も沢山いるという話を耳にします。

あそこの農家が新しい機械を買ったから自分も、と言うように生産性や利益など考えずに経営してしまう事があります。

これはお金が無いのにブランドバックを持つような計画性の無い使い方になってしまいます。

設備投資の金額分プラスになって何年で回収できるなどの最低限の知識は絶対に必要になります。

農業法人を経営するなら農業簿記以外の商業簿記3級程度の知識は備えても損は無いでしょう。

何となく作って何となく出荷なんて人はいないと思いますが、考えて試行錯誤していかないと茹で蛙のようにいつの間にか経営が苦しくなるでしょう。

最低限の経営感覚を学ぶ事をお勧めします。

ITを使ったビジネス戦略

2007年から農業法人を経営してきて感じたことを踏まえて戦略を書いていきます。

まずは私は農業法人を立ち上げ14年以上になります。農業法人しか知らない私ですが、JA出荷をしていないという話を発信する事で誰かの何かの役に立つかもしれないと思い書いています。

ECサイトを活用しよう

近年では農家が直接農産物を売ると言うことが昔より簡単になったように思います。ITは様々な可能性を広げてくれていると思います。

農家直送のECサイトも増えていますし利用者も多くなっています。

お気に入りの農家から商品を買いたいと思う気持ちは私もすごく分かります。

メルカリショップや食べチョク、ポケットマルシェなどが有名ですね。

◆メルカリショップ

利用者数1900万人超の顧客基盤を持ち、メルカリ便で個人の発送より遥かに安い送料で発送が出来ます。最近では自分のShopsが作れるメルカリショップが新たに誕生して、値引き交渉などの無い販売が可能になりました。売れると手数料が発生するシステムなので固定費がかからずコスト計算がしやすいです。手数料は10%になります。メルカリ便など送料の安さも個人では戦えないほど安くできます。しかし安さを求めている客層も多いので訳ありなどで戦うのもありだと思います。

◆食べチョク

最近急成長をしているECサイトで生産者から直接購入できることに特化したサイトです。利用者数は50万人ですが、直接生産者から買いたい人に特化しているので購買意欲が高い事が特徴です。手数料は販売金額によって変動して8~18%と少し高いように感じますが送料に対して手数料がかかりません!これはかなり金額的にお得な上にサポート体制も充実しているので初心者でも挑戦出来る内容です。販売者に寄り添ったECサイトでとても好感が持てます。送料も47%OFFなので1000円の送料も570円で発送できる計算になります。

◆ポケットマルシェ

ポケマルでお馴染みのまだ歴史が浅いECサイトになります。利用者は30万人以上でこれからまだまだ成長が見込める企業です。他には無いSNS機能があり生産者さんとコミュニケーションが取れる事が特徴です。顔や人柄が感じられる事で安心して食材を購入できるというコンセプトになります。FANを増やしてこの生産者さんから買いたいと感じるようなサイトになっています。手数料が15%というのは今後もう少し企業努力に期待です。送料も他の2社に比べると分かりづらく少し高いように感じましたが、登録者の伸びも顕著なので今からECサイトと一緒に自分のショップを育てていくのも楽しいでしょう。

ITを活用しよう

近年はTwitterやInstagramなどで個人をブランディングすることが出来る時代になりました。

何を買うでは無く、誰から買うが重要になってきている事を実感します。

これについては私もまだまだ発展途上で挑戦中で正直模索している段階ですが、確実にSNSや個人の魅力での消費行動に変化しています。

もう1つ大切なことは自分の時間は有料であるということです。

最大限便利な物は活用する事を意識しましょう。ネットバンキングや事務作業に使う労力は最大限省力化自動化する事をおすすめします。

自宅で振り込み送金など銀行に行かずに済むようにすると時間を無駄に取られること無く農作業に専念出来ます。

これからは電子帳簿保存法などPCスキルが一層必要不可欠になるので、少しずつでも取り組むことが大事になります。農業もITも学び続けていきましょう!

企業という仲間を見つける

私の農業法人の最大の収入源は信頼できる企業とのWIN WINな関係から産まれています。

地元の加工・販売業者に定額で出荷しています。企業にとっても農産物が安定的に定額で手に入ることは大きなメリットになります。

互いの信頼関係や継続するための努力や信頼関係が必要になるでしょう。

良き仲間を見つける・つくる・育てる

企業が営業をするときなど相場ではなく一定の金額で購入できる事は価格の安定という強みになりそれが販路拡大の大きなメリットになります。

企業が望む品種や作物を育てる事で無駄が無い経営が可能になる。

お互い無くてはならない信頼できる関係性を築く事を意識しましょう。

私たちは加工だからと手を抜く事はせず製品で出荷できるレベルを目指しています。

これも野菜の相場が高いときなど企業側が青果販売可能になる商品であればリスクを分散でき、追加払いなどの農業収入が上がるチャンスにもなるからです。

目先の収入やメリットではなく長期的な目線で物事を考える事が重要です。

農家の方で相場が高いところにだけ出荷する方がいますが、それは価格が大幅に下がってしまったときに低価格で買いたたかれるか、最悪の場合買い取ってもらえなくなり廃棄するという大きなデメリットがのしかかります。要はギャンブルのような経営です。

全否定はしませんが、私は長期的に安定した経営が目標なので選択しないでしょう。

株で言うFXと投資信託くらいの違いがあると思います。

取引先の利益も意識する

どのビジネスでも同じだと思いますが自分の利益しか考えられない人には良い出会いがありません。

協力者や支援者など応援したくなるような人はいつも自分の利益と相手の利益を考えて行動できる人になります。

この人となら信頼できる関係性をつくれるかどうかが本当に大切です。

それはECサイトでの販売も同じで、本気で良い物を作って届けたいという思いや考えは以外と伝わってしまう物です。

購入者が商品を楽しみにワクワクしながら待つ時間を意識して届いたとき満足出来る商品作りが結果経営を安定させることに繋がります。

この人から買いたい!この人とビジネスをするとワクワクするという感覚が大事なんだと私は沢山の失敗から学びました。

まとめ

農業法人経営者がビジネスとしての農業を考え方をまとめてみました。

JAとだけと取引する農家が多い中私のようなタイプの農家が少ないと感じて何か役に立てればと思い書いてきました。私はJAの良さをあまり伝えることは出来ませんが、別の道もあることは伝えることが出来たらいいなっと思います。

日本の農業者は本当にクオリティも高く素晴らしいと思います。そんな農業を営む方々が現実的に稼げるシステムがもっと出来るように情報発信していきたいです。